カテゴリー「③ブランドについて」の記事

2012年1月18日 (水)

【記】:レイバンについて

サングラスについて考えるとき、レイバンというブランドをはずすことは出来ない。

Raybanlogo


機能性とファッション性を兼ね備えた「現代的サングラス」の開発はレイバンが主導したからだ。
そして現代でもこのブランドの力は衰えていない。

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サングラスの代名詞的ブランドであるレイバンを生み出したのは、ボシュロム社(Bausch & Lomb Incorporated )だ。

日本でボシュロムと言えば、ソフトコンタクトレンズのイメージが強い。

アメリカ合衆国ニューヨーク州ロチェスターに本社を置く光学機器メーカー。
主力商品はコンタクトレンズ、眼科手術用機器などだ。

創業者は、ドイツ生まれのジョン・ジェイコブ・ボシュとヘンリー・ロムの二人。
アメリカンドリームを地で行ったような二人だ。

アメリカという国が生み出したプロダクトは数限りないが、レイバンのサングラスも世界を席巻した優れたアメリカ製品の代表だ。
多くのアメリカ製品がそうであるように、レイバンも軍事製品の民生転用。

はじめは、軍航空機パイロット用のサングラスを一般大衆に普及させたのだ。

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レイバンというブランドは、一夜にして築かれたものでないことは明白だ。
それは、このブランドの特徴を見てみるとわかる。

・光学機器メーカに基礎を置く確かな技術力。
・非常に多様な商品を世に送り出す商品開発力。
・トップブランドの割りに低価格なプライス戦略。
・世界の隅々にまで展開する販路戦略。
・芸能界、映画業界、スポーツ業界と幅広いプロモーション戦略を仕掛ける。

半世紀を超える会社だが、最先端の経営戦略論からみても隙のない強いブランドを形成してきた跡が見て取れる。

特に低価格戦略は、シャネルやヴィトンといったファッション系プレミアムブランドがこの領域に参入した後も変わっていない。

サングラスのトップブランドでありながら、価格は極めてリーズナブル。
どんな田舎のメガネ屋さんでも取扱いしている。

要するに大衆製品なのだ。
フォードが自動車を大衆製品にしたように、レイバンにはサングラスを大衆に普及させようと意図したのだろう。


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そんなレイバンに、歴史的転換点が訪れたのは1999年だった。

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ボシュロムは、フレーム事業をルックスオティカ・グループに売却。
(レイバン,アーネット,キラーループ・アイウェア,リーボなどのブランドを含む)
レイバンもブランドごと米国からイタリアに売却された。

良き時代のアメリカで生まれ、大量生産に乗りアメリカ文化を世界へと送り出す一翼を、サングラス分野で担ってきたレイバンが米国を去った。

文化を売り渡したような気がしたアメリカ人もいただろう。
しかし、アメリカ発の世界ブランドと考えると、これも当然の流れなのかもしれない。

これによって、現行品のレイバンはイタリア製だ。
当然だが、1999年を境としてイタリアならではの戦略が加わってきている。

・無骨なアメリカデザインのイタリア化
・製品のマルチカラー化
・新素材,新機構の積極採用

概して無骨さが強かったブランドイメージを、ファッショナブルな方向に持っていこうという意図が感じられる。

しかし一方で、ボシュロム時代のレイバンを懐かしむ声も多く、ボシュロム製(米国製)レイバンにプレミアムがついたり、70年代,80年代のビンテージが高騰する事態も発生している。

これを受け、伝説的なボシュロム時代のモデルを復刻させる動きも出た(THE ICONS)。


現在までのところ、レイバンのイタリアへの売却はうまくいっているように見える。
ルックスオティカ・グループのマーケティング力と柔軟な経営方針が奏功しているようだ。


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ちなみにこのルックスオティカという企業、イタリアには珍しい巨大企業だ。
イタリアは家内製手工業の延長で事業を展開するのが好きな国であるため、世界的な大企業が少ない。

現在では、ルックスオティカ製ではないサングラスやメガネを買うことは想像以上に容易なことではないと言われている。
つまりアイウェア業界の世界的巨人だ。

ルックスオティカが直接所有またはライセンスするメガネ,サングラスのブランドは30を超える。
レイバンはじめ、オークリー、ペルソール、ヴォーグ、オリバーピープル、シャネル、ドルチェ&ガッパーナ、ダナ・
キャラン、ポロ、ラルフ・ローレン、プラダ、ブルガリ、バーバリー、ベルサーチなど、主だったブランドは網羅されている。


さらにルックスオティカは、小売事業も手がけている。
つまりアイウェアのデザイン・製造,流通・降ろし,販売を手がける巨大な垂直統合企業だ。

当面世界のアイウェアは、ルックスオティカを中心に動いていくだろう。
サングラスも同様に、ルックスオティカの動きは外せない。


一方で、これとは違う動きもある。
ハウスブランドだ。

アイウェア好きにとって、ハウスブランドも決して外せない存在だ。


kk-vuitton

2011年9月19日 (月)

エルメスというブランド

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エルメス(Hermes)というブランドは、ルイ・ヴィトン,シャネル,カルティエなどと比肩し、ブランドの頂点を極めるブランドの中のブランドだ。


エルメスの原点は馬具工房にある。
現在の製品ラインもほとんどが、馬具関連の技術から派生している。
デザインも馬に関連するものが多い。

そして、最大のコアは馬の鞍づくりで培った皮革技術だろう。

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私はエルメスとは、”動物の皮を限りなく人間の皮膚に近づけたブランド”だと思っている。


ルイ・ヴィトンは、贋物対策として、ロゴマークをプリントした独自素材を開発して製品を作成した。
これも贋物対策にはなったが、そのプリントそのものを真似る者も出てきた。

一方でエルメスは、意識的ではないにせよ、もっと本質的な贋物対策を施した。
それは革のナメシ技術そのもので、誰にも真似できない革の質感を実現したことだ。

エルメスの革製品を一度でも見て、触ったことがある人は、もし形だけ真似した贋物があっても遠目で見てもすぐに贋物と分かるだろう。

エルメスの革素材は、1万頭から30枚程度しかとれない無傷の皮を使っていると言われている。
それに、独自のナメシ技術、染色技術が加わる。

その質感、手触り、耐久性は他に類を見ない出色の出来だ。

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贋物は、材料は生産コストを落として、見かけだけを真似る。
しかし、見かけを本物に近づけるためには、コストがかかることになるエルメスの製品はスーパーコピーが不可能なのだ。

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さらに、これに”クウジュ・セリエ”という縫製技術が加わる。
革を縫い合わせる技術としては最高峰だろう。

私もエルメスの商品をかなり使い込んだが、糸が解けてくるという経験がない。

白いステッチは、すべて職人が手縫いしているのだ。
コストが高いはずだ。
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こうしてエルメスは、最初は馬が着ける鞍を作っていたが、今では人間が使い、身につけるものを作っている。

エルメスの事業転換には、いくつものドラマがあって興味深い。

いずれにしても、エルメスは他のブランドと異なるポジションにある孤高の存在だ。

その製品だけでなく、ブランドそのものへの興味も尽きることはない。


kk-vuitton

2010年11月27日 (土)

ルイ・ヴィトンは究極の実用ブランド

人も会社もブランドも、依って立つ基本が大事だと思う。

後にさまざまな展開をみても、基本がどこにあるかがブレてはいけない。


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ルイ・ヴィトンというブランドの基軸は、バッグ造りにある。
ヴィトンはどこまでもバッグブランドだ。

プレタポルテを展開しようと、ジュエリーを手がけようと、靴を造ろうと、ペンを発売しようと、それはあくまでバッグメーカーとしての商品だ。
ヴィトンというブランドはそれをわかっている気がする。

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一方で、ヴィトンは究極の実用ブランドだと思う。
いやかつては貴族の御用達ブランドだったのだから、実用ブランドになったと言うべきかもしれない。

だから私はヴィトンコレクターにはならない。
最新の商品を追いかけることはない。
買ったものを使わずにしまっておくこともない。
色違いを取り揃えて悦にいることもない。

実用品は収集するのではなく、使うべきだと思う。
あくまで実用品として、買ったものは必ず使い込む。
そうすることによって、造った人と対話ができる。
だからこそ相手が真剣に作ったものでないと買う気がしない。


ヴィトンを支える柱は、モノ作りの精神と技だと思う。
ヴィトンを買った者は、作り手の精神に触れ、技を感じ、それにこたえる使い方をする必要がある。


ブランドとは、それを冠した製品というモノを通じて、作り手と使い手の精神を媒介する手段なのではないだろうか。

ルイ・ヴィトンというブランドはその代表だと思う。

欧州のクラフトマンシップ恐るべしである。


ルイ・ヴィトン公式HP:LOUIS VUITTON

ルイ・ヴィトン公式ブログ:THE ART OF TRAVEL BY LOUIS VUITTON

2010年11月20日 (土)

venturaとは?

"ventura design on time"

それは工業デザイン系の革新的時計ブランドだ。
私が最も好きな時計ブランドであるが、その優れた製品に反して意外と知られていない。
少し整理してみた。

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【創業年】:1990年
【創業地】:スイス チューリッヒ

【設立者】:ピェール・ノッブス(Pierre Nobs):下写真
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【デザイナー】:ハンネス・ヴェットシュタイン(Hannes Wettstein):↓写真
インテリアと建築デザインの第一人者(2008年7月没)。
1958年スイスのアスコナ生まれ。彫刻、コーポレートデザイン、インテリアデザイン、産業デザインなど様々な分野に足跡を残してきたデザイナーであり、10年以上に渡り、ヴェントゥーラのデザインコンセプトを形成してきた。LAMYラミーのペン、スクラブシリーズ,ステュディオシリーズなどのデザインも手がける。
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【デザイナー】:アドリアン・フルティガー(Adrian Frutiger):↓写真
植字の世界では右に出る者はいないと称えられる、世界的に有名な活字デザイナー。
1928年生まれ。UNIVERS,FRUTIGER,AVENIR,インターナショナル・スタンダードに選ばれたOCR-Bなどのフォントを造りだしたことで、その名を轟かせる。パリのメトロや、シャルル・ド・ゴール空港、スイスのハイウェイなどの標識コンセプトを手がける。
Adrian_frutiger

【デザイナー】:パオロ・ファンチェッリ(Paolo Fancelli):↓写真
スイスの名高いインダストリアルデザイナー。
1964年生まれのイタリア系スイス人。ABB,ディストロニック・メディカル・システム,Aebiトラクター,ジロフレックス,フェルコグループ,マイクロン,ターミックス社などの事業を手がける。ウェンガ-社のポケットナイフをデザインしたことでも知られる。ヴェントゥーラのSPARC rxのトリッキーなアイディアにもその実力が発揮されている。
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【デザイナー】:フレミング・ボー・ハンセン(Flemming Bo Hansen):↓写真
初期のデザインを担当。MOMAに永久展示認定の'WATCH'をデザイン。
現在はデンマークのローゼンダール社(ROSENDAHL)で活躍中。
Flemming Bo Hansen collection

Flemming_bo_hansen

【主な製品ライン】:-------------------------------------------------<わかる範囲のみ
■「WATCH」:ニューヨーク近代美術館(MoMA)のパーマネントコレクション
■「v-matic」:クロノメーターシリーズ
■「v-tronic」:クォーツライン
■「Sparc」:世界初のオートクォーツデジタルムーブメントを使用したライン
■「v-tec」:革新的デジタルライン Alpha,Delta,Sigma,Kappa,Zeta,Gamma(未発売)
■「Miss V」:レディースライン

【現在】:
2007年~2009年の3年間、業務が停止し、日本国内でもventuraの時計を入手することが困難となっていた。

2009年末に、設立者ピェール・ノッブスがventuraブランドの買い戻しに成功。
新会社Ventura Watch Ltd.を設立。

Ventura Watch Ltd.

現在、v-tec、sparc、v-maticシリーズの販売を開始。
新製品も開発中。

【日本での購入】:
日本国内では以下で購入できる。

Ventura公式HP

・正規販売代理店 ハタ貴金属 【名古屋市港区】
 →私もこのお店で購入したが、とても対応がよく、メンテナンスも含め安心して利用できる。

※このページは随時更新。