カテゴリー「指輪」の記事

2012年4月 7日 (土)

【基】:HERMES キャンディリング

サイズ:56号(16号)
素材:シルバー925+樹脂(オレンジ)

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エルメスのリングのデザインには、いつも驚かされる。
それにしてもこのデザインには脱帽だ。

まるで柔らかいキャンディーを指に巻きつけたようなデザイン。
しかも中にオレンジのグミ入りだ。

シルバーに、色付きの樹脂を組み合わせている。
この樹脂は何色かバリエーションがあったが、私はエルメスカラーのオレンジを選択した。


↓斜めに空いた”H”ホールから、オレンジの中身が覗き見える。
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↓中身がグニュッと、今にも飛び出してきそうだ。
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↓ロゴと素材とサイズが刻印されている。
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↓一見、女性的デザインに思えるが、実際使ってみると意外とシャープで男性的でもある。
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この指輪のデザイン、なんとなくデザイナーの苦労が想像できる。
おそらくキャンディーを指に巻くという単純な発想からデザインを始めたに違いない。

そこまでは誰でも考え付きそうなアイディアだ。

しかしここまで完成度を上げるためには、何度も何度も試行錯誤をしたことだろう。
細部にはその痕跡が見て取れる。


良いデザインとは、そう簡単にできるものではない。

素人でもすぐに実感できる方法がある。
オークションでも、楽天でも、あまたある巷の指輪と、このエルメスのリングのデザインを比べてみればわかる。

指輪のデザインは、工夫できる幅が限られている。
極めて小さな空間の中に、何かを表現しなければならない。
だからこそ、その実力の違いは明確に出る。


モノには、作り手の想いや思想が込められている。
それはデザインにダイレクトに反映される。

安っぽい想いからは、安っぽいモノができる。

良いブランドは、かならず何かの主張を持っている。
それをデザインで訴えかけてくる。

受け止めきれるかどうかは、買い手のレベルも問われるだろう。


kk-vuitton

2012年4月 1日 (日)

【記】:山本彫金STUDIO 2つのブラスリング

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山本彫金STUDIOのブラスリングは、なかなか味わい深い。

上写真の左→山本彫金STUDIO パンタレイ・リング 万物流転

上写真の右→山本彫金STUDIO 人魚の指輪

ブラスのリングは、最初金色に輝いているが、指にはめているとすぐに変色してくる。
金や銀とは全く違う味わいが出るのだ。

↓ブラスのリングを2つ着けてみた。
もともとセットではないが、よく合っている。
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↓凹凸のある指輪は、変色の度合いも濃淡が生まれる。
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ヴィトンのハードトランクの金具も同じ素材だが、その造りは平面的だ。
そのため、変色にもあまり目立った濃淡は出ない。

それに比べ、指輪は凹凸が有る分、変色にむらが出る。
たとえば、人魚の指輪のお腹の部分や、パンタレイ・リングの中央の顔などは、飛び出しているため擦れて金色に輝く、一方凹んだ部分は変色が進み黒ずんでくる。

こうした濃淡が深い立体感を形成し、こんな小さなモノでも芸術品的な味わいを醸し出す。

シルバーも変色をうまく使うと同じ効果が得られる。

”アンティーク仕上げ”と称し、製品を作るときから、この濃淡を再現させる手法もある。
しかしやはり自然な変化を楽しむ方が良い。


ブラスは身につけると、変化が激しくなる。
きっと、汗などによって影響を受けているのだろう。

毎日少しずつ変化する指輪を眺めるのも楽しいものだ。


kk-vuitton

2012年3月 3日 (土)

【詳】:山本彫金STUDIO パンタレイ・リング 万物流転 指輪

→基本記事


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「万物流転・屍は土へと返りまた新しい生命を息吹く」というコンセプトを、指輪という小さな世界で表現したモノだ。


↓正面中央には、生命の躍動を感じさせる女神(?)の顔がはめ込まれている。
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↓女神から伸びる植物は、繁栄を象徴するのだろう。
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↓その先には、死の象徴であるドクロが全てを飲み込んでいる。
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↓後ろ側は死の世界だ。
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↓反対側のドクロからは、再び生命の息吹が...。
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↓そしてまた女神へ帰ってくる。
万物流転だ。
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↓もともとはこのデザイン、バングルだけにしかなかった。

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バングルは、かなり大きめだが、これを小さな指輪にデフォルメするのは大変だっただろう。

山本彫金の造りだす女神(女性)の顔は、独特の味がある。
どこか西洋的でもあり、無国籍的でもあり、不思議な顔だ。
こんな個性的な顔は、他ではなかなかお目にかかれない。

この指輪、おそらく世界最小の万物流転モチーフだろう。
指にはめていると、エネルギーが湧き出してくる気がする。


kk-vuitton

2012年1月25日 (水)

【記】:HERMES クラルテ リング デザインの輪郭

→ HERMES クラルテ リング

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エルメスのクラルテ リングは、輪郭を切り出してみると、極めてシンプルにデザインされていることがわかる。

目立つデザインは側面に、小さなHマークの穴があるだけだ。
リングの外周部分は、つるんとした局面なので、複雑な輪郭線が無い。


実物は、スターリングシルバーが綺麗な鏡面仕上げにしてあり、輝きだけでも高級感は感じられる。

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しかし、輪郭だけを切り出しても安物のリングに見えないのは何故だろう?


このリングをデザインしたデザイナーは、必ずこうした輪郭線を一度はスケッチしているはずだ。

どの部分に、何を意図したのだろうか?

確かによく見ると、リングの内径が真円ではない。
縦長の変わった形をしている。

こんなシンプルな線の組み合わせで、エルメスのリングが出来上がってしまうのは不思議としか言いようがない。

ここまでデザインを裸にしてみても、デザイナーの工夫が全て見えるわけではないようだ。


指にはめてみると、外周の柔らかな局面とは対照的に、側面の平面が奇妙に強調されているのがわかる。

ちょうど輪郭線の部分で、すっぱりと切り取ったような鋭角さがあり、それが指に心地よく当たる。

単にデザイン線を引いただけでなく、何度も試作を重ねて出来上がっているように思われる。


よく見れば見るほど、簡単に作れるものではないことがわかってくる。

デザインとモノ作りの奥は深い。


kk-vuitton

2012年1月 8日 (日)

【基】:山本彫金STUDIO 人魚の指輪

サイズ:15号
素材:真鍮

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これも山本彫金STUDIOの製品だ。

小さな人魚が、指をぐるりと取り囲むデザインが秀逸だ。

鱗から尻尾までが、うまくデザインされている。

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人魚のモチーフにはいつも気になっている。
しかし、こんな小さな指輪に、ここまで上手くデザインを凝縮するとは...。
山本彫金STUDIOの真骨頂といったところか。

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この指輪は、素材がシルバーと真鍮の2種類ある。

私は真鍮を選択した。
パンタレイ・リングと合わせるためだ。

また、ヴィトンのプレジデントやハードトランクの金具と同じ素材なので、合わせやすいためだ。

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真鍮という素材は、新品の時には金に近い黄金色をしている。
そのため、金の代用品にもされ、”貧者の金”とも呼ばれる。

腐食すると渋い色に変わり、とても良い味が出る。

真鍮の指輪は、ヴィトン製品との相性も良い。
まるでヴィトンのトランクの部品のようだ。


kk-vuitton

2011年12月13日 (火)

【基】:山本彫金STUDIO 羊の指輪

サイズ:22号
素材:シルバー925
石:へマタイト

最大縦幅:約20mm
最小縦幅:約6mm

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山本彫金STUDIOの羊をモチーフにしたシルバーリングだ。

羊のモチーフは、ユダヤ教,キリスト教圏では特別な意味がある。

救世主と信徒の関係を、羊飼いと羊になぞらえて説かれるからだ。
また羊は神への生贄とされる動物でもある。

旧約聖書では、過越しの儀式として、子羊の血を戸口,柱,鴨居に塗り、その肉を焼いて食べることによって、災いを避けるよう説かれている。

新約聖書では、イエスが自らを”神の子羊”と呼び、救われるべき民衆は”迷える子羊”と表される。

こうした背景から、羊のモチーフは”己”を表すとともに、”克己心”を象徴するとも言われている。

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↓ずしりと重いリングだが、着けると重さを感じない。
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一方、頭頂部に埋め込まれた大きな石はヘマタイトだ。

ヘマタイトはギリシャ語で「血の石」という意味を表す。
「勝利へ導く石」とも言われているパワーストーンだ。

この石は傷つけたり、結晶を磨り潰したりすると、赤くなる性質を持つ(鉄分が酸化するため)。
そこで古くから血液に対して良い効果を持つ石であると信じられてきた。

古代ローマでは止血効果が高いと信じられていた。
出陣に際し石を体にこすりつける事で軍神マルスの加護が得られ、怪我をしても生きて帰れると信じられていたようだ。

また研磨すると、銀色を帯びて光り輝くため”黒ダイヤ”とも呼ばれている。

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山本彫金の彫刻はいつも見事だ。

↓この羊も素晴らしい。
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↓かなり大きめだが、薬指でも人差し指でも似合う。
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要するに、己自身を見つめ、やる気を引き出し、勝利へと導くリングだ。

いつの時代も男は困難に直面しては、こうしたモノを起点として勇気とやる気を奮い起こして来た。
ささやかなる精神的支えだ。

平和な時代には肉弾戦はない。
しかし、都会は毎日が戦いの中だ。
精神戦を含め日々の戦いに臨むには、こんなリングが必要だ。


kk-vuitton

2011年12月 2日 (金)

【基】:HERMES クラルテ リング

サイズ:54号(14号)
素材:シルバー925

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これはエルメスのシルバーリングだ。

名前は”クラルテ”。
クラルテ(clarte)とは、フランス語で「光」,「輝き」という意味だ。

確かによく光を反射するデザインだ。
全体がかまぼこ型のように柔らかくラウンドしていて、光を直線的に反射するのではなく散乱するようにできている。

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もう一つのデザインの特徴は、なんといっても側面に空いた”H”型の5つの穴だろう。
一見何気ないシルバーリングに見えるが、この側面の穴を見た瞬間にエルメスということが直ぐにわかる。

↓そしてこの穴、実は指輪の端から端まで貫通しているのだ。
横から見ると向こう側が見える。
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よく見ると、”H"の大きさが微妙に違う。
外側二つが若干小さく作られている。
なにやら微妙に歪んだ空間を錯覚させる。
外側が圧縮されたように感じてしまうからかもしれない。

こんな小さなものに、こういう穴をどうやって形成したのかよく分からない。
型で抜くのだろうか?
どうやって抜くのだろう?

いずれにしても、作るのに手間がかかりそうな構造だ。


さらに、指輪の内側が真円ではなく、楕円でもない、変わった形をしている。

私は小指にしているが、この形意外にフィット感が良い。


エルメスのデザインは、何気なく作られているようで、物凄く考えて作られている。
基本がシンプルなので見過ごしてしまいそうだが、細部を見ると、工夫の跡があちこちに散見される。

作り手が込めた思いは、使い手も受け取ってあげる必要がある。

この小さなエルメスの指輪も、独特なデザインを楽しみつつ大切に使っていこう。


kk-vuitton

2011年11月15日 (火)

【詳】:カレッジリング YG:ブルー

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このカレッジリングはブルーの石が本当に良く光る。

石の部分はただのガラス球だが、カットがいいのだろうか。
中央から放射線状に光があふれてくる。

さらにイエローゴールドと石のブルーが絶妙なコントラストを見せている。


指にはめてもブルーが引き立つ。
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日本では大ぶりの指輪は敬遠されがちだが、カレッジリングのデザインは普遍性があるのか、それほど違和感が無い。
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横から見ても石が光を反射する。
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石の外周には、”BOLINGBROOK HIGH”と刻印されている。
この指輪は、bolingbrook high schoolのもののようだ。
このハイスクールは、シカゴ郊外の学校のようだ。

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サイド部分には、卒業年が刻印されている。
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反対側のアンドリューは何を指しているのか不明。
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ゴールド系の他の指輪との相性もよい。
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カレッジリングはどれも大きくて目立つデザインが多い。

大柄なアメリカ人には、これくらい大ぶりの指輪がよく似合う。
小柄で指が細い日本人には難しいアイテムかもしれない。

私は比較的手も大きく、指も太いので、なんとかつけている。
カレッジリングの独特のデザインはお気に入りだ。

今度は、ごく小さなカレッジリングを小指にしてみるのもいいかもしれない。


kk-vuitton

2011年11月 3日 (木)

【基】:VASS LUDACER ヴァス・ルダカー 指輪

サイズ:15号
素材:シルバー925

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数年前セレクトショップで偶然見つけたリングだ。

小さいので小指用にしている。

刻まれた文字の意味は不明だが、バックに流し込まれたエナメルの赤と、地金のシルバーが絶妙な溶け合い方をしている。

男性用の指輪に赤を使った商品は少ない。
赤の使い方が難しいのだろう。

赤色が好きなので、このデザインには一目ぼれだった。

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ブランドは、ヴァス・ルダカー。
聞きなれないブランドだ。

わかってるのは、以下のことくらいだ。
今でも活動しているのだろうか?

・ニューヨーク発
・1990年発足
・デザイナーは元モデルのハル・ルダカ-氏
・オールドイングリッシュスタイル

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全体の造りは見た目より薄く、指へのフィット感が凄くいい。
単に丸い筒を作ってあるのではなく、微妙に歪んだ形をしている。
少し中央が凹んでいるようだ。
吸い付く感じで、指に沿ってフィットする感覚だ。

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この指輪とは偶然の出会いだったが、即購入した覚えがある。

モノとの出会いは、人との出会いと似ている。
フィーリングが合うか合わないかは一瞬でわかるものだ。

この指輪とも長いお付き合いになるだろう。


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2011年10月19日 (水)

【基】:Gianni Versace ジャンニ・ヴェルサーチ メデューサ リング

サイズ:22号
素材:シルバー925

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これはヴェルサーチのシルバーリングだ。
かなりボリューム感のあるリングだ。

お気に入りのメデューサの顔がモチーフとして刻まれている。

全体が丸味を帯びたデザインだが、中央が大胆に凹んでいる。
その半球状の凹みに、メデューサの顔がくっきりと刻印されている。

この大きな凹み以外は、いたって普通のリングなのだ。

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先日、あるシルバー系デザイナーと話したとき、私はこの指輪をしていた。
デザイナーだけに、すぐにこの指輪に気づき、話題にのぼった。

彼曰く、「これほどシンプルでありながら、ブランドを主張できるデザインは凄い」とのことだった。
「デザイナーはこういうデザインが出来なくて苦しむ」ということらしい。

私には、デザイナーの苦悩は実感としてわからないが、このデザインがただものでないことは見てすぐに分かった。
やはりトップブランドのデザインは凄いのだ。


↓この特徴的な凹みが良く光を反射する。
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ありそうで無いデザイン。
普通ならここまで大胆に大きな凹みを作らないだろう。
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基本デザインがシンプルなモノは、何とでも合わせやすい。

このリング、自己主張と他との融和がうまくできる器用者だ。
しかし決して八方美人ではない。

なにせ髪の毛がヘビでできた美人の顔が睨んでいるのだから。

気に入っているからといって、あまり見つめていると石にされてしまいそうだ。


kk-vuitton