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2012年1月15日 (日)

【記】:サングラスの歴史

”サングラス”とはその名のとおり「太陽のメガネ」だ。
太陽の強い光と紫外線から眼を守るためのメガネだ。


その歴史はメガネの歴史と不可分だが、まずはサングラスだけを整理してみた。

原形は、北極圏に住むエスキモーが板やアザラシの皮で作った遮光器だとも言われる。

↓エスキモーのサングラス
Photo

また、ローマ第5代皇帝ネロ(在位54~68年)は、エメラルドでできたサングラスを使っていたようだ。
ネロはサングラスをして闘技観戦をしたと伝えられている。

↓ローマ皇帝ネロ
Nero

さらに、12世紀頃の中国では、スモーキークォーツを使用したものを裁判官が着用していた。
目的は視線を隠すことだったらしい。

16世紀後半には、色付きレンズの効用が認められていた。
太陽光線から眼を守るために、亜麻仁油を染み込ませた琥珀色のレンズが開発された。

18世紀には、一般にも普及しはじめたようだ。
メガネケースも、メガネが二つ入るようにデザインされていた。
一つは読書用、もう一つは色付きレンズのサングラスを入れる用だ。

19世紀には、ガラスを使ったサングラスがはじめて開発された(1885年)。

20世紀初頭には、眼の保護の観点から、青色および緑色の色付きレンズが使われていた。

つまり20世紀はじめまでは、単純にメガネに色付きレンズを入れただけのサングラスが用いられてきた。
形や素材も、メガネのそれと同等だった。
ある意味、眩しさを色付きレンズでごまかしてきたと言っても過言ではない。

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現在のような、「現代的サングラス」が完成をみたのは、1930年代のアメリカだ。

「現代的サングラス」は、単にまぶしさを軽減するためにレンズに色を付けただけではない。
可視光や紫外線を科学的に遮断、コントロールできるサングラスのことだ。


現代的サングラスの誕生には、飛行機が関わっている。
1903年ライト兄弟が有人飛行を行い、1910年代の第一次世界大戦で偵察機として活躍し始めた飛行機は、1920年代には軍民両方で本格利用が活発化した。

飛行高度も高くなり航続距離も長くなるにつれて、パイロットが上空での眩しさから不調を来たすことが多くなった。
1929年に米軍からパイロットの目を保護するためのアイウェア開発を依頼されたのは、ボシュロム社(Bausch & Lomb Incorporated)だった。

この要請を受け、B&L社は可視光のほとんどを遮断できるレンズを備えたアイウェアを開発することに成功した。
これが緑色のアンチグレア・レンズ・アイウェアの誕生だ。
このアイウェアは、1936年には市販が開始されている。
初期はアビエータ型のプラスチックフレームだったようだ。

1937年、B&L社は”レイバン(Ray-Ban)”の商用登録を行う。

Rayban_logo

そして”レイバン・アビエーター”を発売。
ラージメタルフレームのティアドロップ型サングラスがここに誕生した。

これ以降、サングラスは一般へと広く普及していくと共に、常にレイバンが現代的サングラスの歴史を作っていくことになる。
そして今でも、レイバンはサングラスの歴史の基軸であり続けている。

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現代サングラスの流れを、私見も含めざっと見てみると以下のようになる。

1937年:”レイバン(Ray-Ban)”の商用登録,”★アビエーター”発売

1940年代まで:遮光目的で特殊な職業の人たちが愛用するようになる一方、ハリウッドが注目し始める。

1950年代:53年に発売されたウェリントン型の”★ウェイファーラー”がサングラスにファッション革命を起こす。
       このサングラスをロックミュージシャンとハリウッド映画業界が採用。

       この時を境に、機能性一辺倒だったサングラスがファッションアイテムに変貌する。
1960年代:一般への本格的普及期。
       レイバンのモデルも男性用,女性用,子供用と50種類にも及ぶ。

1970年代:ファッション用とスポーツ用に2分化。

1980年代:スポーツ用全盛。

1990年代:ファッション系ブランドがアイウェアに参入し百花繚乱時代。
       1999年、ルックスオティカ・グループが、レイバンブランドを含むボシュロムのフレーム事業を買収
       レイバンはイタリアブランドとなる。

2000年代~現在:多様化の時代。
       この半世紀でサングラスのデザインは出揃い、リバイバルも含め、現在は多様化の時代に入っている。
       古いモデルをしていても、古く感じないし、新しいモデルは新しく感じる。
       サングラスにとっては、とても良い時期なのかもしれない。

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こうしてみて見ると、現代的サングラスの歴史の流れの中で、その原型となるモデルが2つ存在することがわかる。
一つが”アビエーター”、そしてもう一つが”ウェイファーラー”だ。

↓アビエーター(ティアドロップ型)
Imgp5139l

↓ウェイファーラー(ウェリントン型)
Imgp5137l

この二つのモデルは、姿形から素材まで全く違う。
メタルフレームでティアドロップ型レンズのアビエーター、セルフレームで角型レンズのウェイファーラー。
アビエーターが機能性モデルとしての原型だとすれば、ウェイファーラーはファッション性モデルの原型だ。
(この原型はメガネの歴史とも不可分だ。)

対照的な2つのモデルが、サングラスの半世紀を越える歴史を2本の柱となって貫いている。

この2つの原型モデルの派生系が、その後のサングラスの歴史を彩っていくことにもなる。


そしてこの二つの原型モデルの人気は、現代でも衰えていない。
それどころか、あまたあるサングラスを押さえ、人気はむしろ上がっているとさえ言えるだろう。


kk-vuitton

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