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2011年12月25日 (日)

【基】:ジョルジュ・ルオー Christ

Georges Rouault (1871-1958)
Christ, 1937-38
Oil on canvas
67 x 48 cm
Private collection

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これは「20世紀最大の宗教画家」と言われたジョルジュ・ルオーの『キリスト』だ。
残念ながらこれは複製画ではなく、ポスターの額装だ。

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ジョルジュ・ルオー(Georges Rouault) (1871-1958)は、20世紀を代表するフランスの巨匠画家。

日本では印象派の有名画家に比べ知名度は低い。
私は以前から好きな画家の一人で、展覧会があると聞くと足を運んできた。


画風は独特で、黒く太い描線と鮮やかな色彩でモチーフを力強く描き出す。
モチーフは、ルオーが敬虔なカトリック教徒であったことも影響して、宗教的色彩を帯びたものが多い。
一方、道化師や娼婦、家族や母子といった一般世俗の人びとなども泥臭く描き続けた。

イエス・キリスト自身が、社会的には低俗とされる人びとへの救済を惜しまず生きたように、ルオーもまた社会の光が当たらない部分に目を向け、自らの筆で光を当て続けた。


ルオーの生い立ちは、家具職人の子としてパリに生を受けたところから始まる。
ステンドグラス職人の徒弟として修行を積みつつ、絵画の修練に励み、1891年エコール・デ・ボザール美術学校に入学している。

そこで出会ったギュスターヴ・モローに師事し、アンリ・マティスらとともに学んだ。

ルオーはフォービズムに分類されることもあるあが、本人は自分はフォーブではないと言っていたようだ。

ルオーの画風は、ステンドグラスの影響を受けているのだろう。
太く縁取られた線と鮮やかな色彩は、ステンドグラスそのものだ。

ルオーの絵には、なんとも言えない温かみを感じる。
人間臭さや泥臭さを愛し、人間に対する愛情を感じる。

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この『キリスト』は、うつむくイエスの横顔が大胆に描写されている。
自らの行く末を悟りつつも、多くの人びとへの愛のために、命を掛けて神を説いたイエス。
その悲しみと優しさと苦悩が、一枚の絵の中に見事に描き出されている。

イエスは伝道を開始してより3年、日々命の危険を感じ、薄氷を踏むような緊張感の中で生きた。
その時代的緊迫感と、対照をなすイエスの愛と優しさが、この絵の中に共存している。

イエスの頭上には、その後の彼の運命を暗示するがごとく、赤い一筋の雲が掛かった背景が描かれている。

2000年以上経っても人類に影響を与え続けるイエス・キリストも凄いが、その人物を大胆に、そして見事に描きだしたルオーという画家も凄い。


「美術は職業ではない。信仰と絶対の奉仕を強いる聖なる司祭の技なのだ。そして崇高な芸術が精神的なものの一番高いものなのだ。」 - Georges Rouault


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